漢文名文
刎頚の交わり互いのために首を刎ねられることがあっても後悔しないほどの親しい交わり。
初めは有らざる靡(な)し、克(よ)く終り有るは鮮(すくな)し生まれたときに善性を与えられないものはいないが、それを完全に保持するものは少ない。『詩経』
鼠 社に憑りて貴し社に巣くうネズミはこれを燻りだして捉えようとしても、社が焼けるのを恐れてついそのままにしてしまう。小人が主君の威光をかさにきて威張っているというたとえ。『文選』
爾に出づる者は爾に反る自分のしたことの報いは必ず自分に返ってくる『孟子』梁恵王上
桃李は言わざれども自ずから蹊(こみち)を成す桃や李は口をきいて人を招くことはしないが、良い花や実があるので人々が争って来て、結果として自然に小道ができる。『史記』李将軍伝賛
天の時は地の利に如かず天の時や地の利よりも人の和が一番大事『孟子』公孫丑下
大行は細謹を顧みず大きな行動の前には細かい謹慎などを考慮することはない。『史記』・項羽本紀
春宵一刻、価千金春の夜は一刻でも千金の価値がある蘇軾『春夜』
三人行えば必ず我が師有り三人で同じ事を行えば、他の人の善を見て従うことができ、また不善を見て反省できるので、自分の師とすることができる。『論語』述而第七
功成なり名遂げて身退くは天の道なり事業を立派に仕上げ、名声をあげ得たからにはいつまでもその地位にとどまらずに身を引く、これが天の道にかなったことだ。『老子』
君子は交りを絶ゆとも悪声を出ださず君子は交際を絶ったとしてもその人の悪口は言わないものだ。『史記』楽毅伝
九仞の功を一簣に虧く九仞の高い山を築いてもあともっこ一かき分の土をもって完成というところで僅かな油断のために失敗する。『書経』
河海は細流を択ばず人間は心を広くもって色々な意見を受け入れることで初めて大成できる。『戦国策』・秦
燕雀、安くんぞ鴻鵠の志を知らんや小人物には大人物の遠大な考えなどわからない『史記』陳渉世家