街場の文体論

司馬遼太郎の文学は日本人のためのものなんです。日本人を抱きしめ、叱り、励まし、導く。国民を相手にして描いている。もちろん、素晴らしいスケールの企てだと思います。でも、外国人の読者には「自分は読者に想定されていない」ということがなんとなくわかる。(文春文庫 p.105)ミシマ社,2012.5